Selective High School(SH)は、Opportunity Class(OC)同様1932年にNSW州が設立した、学力が豊かな成績優秀な生徒を対象に充実した教育の場を提供する公立ハイスクールです。SHには、全校がSHである17の完全選抜制の学校、一部がSHである23の一部選抜制の学校、4校の農業ハイスクール、そしてバーチャルスクールが1校あります。
申請資格
NSW州内の公立及び私立の小学校で学ぶ生徒で、オーストラリア又はニュージーランドの市民権又は永住権を保有している者なら誰でも申請できます。また、州外や海外から申請の場合、入学時に家族がNSW州内に居住し、就学中も居住し続けることが条件です。但し、居住条件を満たしていなくても、考慮されるべき事情があると信じる生徒は、既にオーストラリアに居住している場合に限り受験申請することができます。また、学力面でSHへの入学条件を満たしているが、居住条件を満たしていない生徒に関しては、Appeals Processを通じて特別な配慮を求める機会が与えられます。
申請~結果まで(Year7)
Year5の10月~11月にかけてオンラインで申請し、テストを受けるのはYear6の3月です。願書提出後、学校長が学校の成績と論評を the Selective High School and Opportunity Class Placement Unitに提出します。毎年3月半ばにテストが行われ、7月に結果が発表されます。
申請~結果まで(Year8~Year12)
SHのYear8~Year12に空きがあれば途中入学が可能です。毎年6月半ばに各学校毎に受け入れ可能な学年と人数が分かりますので、入学希望のSHのウエブサイトをご覧になるか、直接問い合わせて下さい。入学希望のSHに空きがあれば、そのSHから願書を取り寄せ7月末までに願書を提出します。願書を提出するに当たっては、各学校が求める提出物や基準を確認するようにしましょう。各学校の選考委員会の審査後、9月又は10月に結果が発表されます。
試験内容
4つの試験で構成され、そのうち読解力(英語)、数学、一般能力の3科目は、40分ずつマークシート形式の選択問題となっています。そして4つ目の試験は20分の作文課題です。
過去問題やサンプルテストは、https://education.nsw.gov.au/public-schools/selective-high-schools-and-opportunity-classes/year-7/the-test#Preparing2 でご覧になることができます。
SHの長所と短所
長所としては、前回のOCと同じく、SHでは学力の高い生徒達と一緒の学習環境に身を置くことができるので、深く思考したり議論したりと知的欲求を満たすことができます。また殆どの生徒が進学を目指しているため、集中して勉強に励むことができるでしょう。短所についてはやはりOCの時と同じように、仲良くしていた友人たちと離れなければならないために精神的に沈んだり、今までトップだった生徒がSHではトップになれないことで自信や自尊心を失うということがあるようです。塾に行って受験テクニックだけを覚えて試験に受かっても 本当に勉強が好きでないと入ってから大変ですので、日本の受験と同じように考えない方が良いと思います。
SHは一つの選択肢であり、普通のハイスクールに行っても目指す大学に入学することは十分可能です。色々な進路選択があり、諸事情を十分考慮してお子さんに合った進路を選択してあげましょう。